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「発明の発掘」とは?

「発明の発掘」とは、技術者の頭や身体の中、あるいは、技術者が持つ情報の中に埋もれている暗黙知(経験知)を、技術者との対話などを通じて引き出し、見える化(言語化、図像化)することによって、新たに発明を生み出すことです。

発明の発掘自体は、特に、特許取得に熱心な大企業で以前から行われていますが、発明の発掘にも、その成果に大きく影響する注意事項があります。

ご存じですか?

発明の発掘の必要性

研究、開発、設計といった業務において、技術者(エンジニア)自身が意図して発明(技術的な新しいアイデア)を生み出そうとしている時は、発明の発掘など必要ありません。技術者自身が気づくからです。

しかし、技術者の頭の中や身体、あるいは、検討結果や実験結果等の技術情報の中には、技術者が意図していない発明が埋もれていることがあります。

この場合、発明は暗黙的に存在するだけですから、技術者自身も気づかないのです。意志をもって探さない限り、発明は発掘できません。

また、埋もれているのが発明の「タネ」だけの場合もあります。

この場合には、その「タネ」を発明の形にすることまで考えないと、発明は発掘できません。

以上の理由から、「発明の発掘」という仕事が必要になるのです。

「発明の発掘」が実際に実行される状況は、例えば、基本発明の保護のために、早急に、改良発明や関連発明を生み出す必要がある場合や、同業他社の参入防止のために、早急に、代替発明や迂回発明を生み出す必要がある場合です。

この状況では、必要性が特に高くなります。

発明の発掘が必要な理由がもう一つあります。それは、技術者の発明ノルマ達成のためです。(これは大企業の場合ですが・・・。)

つまり、新技術・新製品の研究や開発や設計を担当している技術者は、発明を生み出すことが業務の一部になっています。

というか、発明は自分の業務の成果の一部でもあるのです。

このため、「年間○件以上の発明提案書を書く」というように、ノルマになっている企業も多いようです。

「発明提案書」というのは、技術者が自分が生み出した発明を担当部署に開示するために記載する書面です。

ですから、技術者の発明ノルマ達成のたにも、発明の発掘は必要なわけですね。

発明発掘時の注意事項

発明を発掘する際に注意する事項があります。

1.技術者の頭や身体の中あるいは技術情報の中に含まれている具体的な発明(製品化できる程度に具体的なもの)と、それを上位概念化して得た抽象的な発明(特許明細書に課題解決手段として記載する程度に抽象的なもの)とを区別すること

⇒前者の発明についての不明点は、知術者に質問しないと分かりませんが、後者の発明についての不明点は、前者の発明を上位概念化する担当者(弁理士等)に質問しないと分からないからですね。両者に質問することもありますが。

2.発掘する発明にとって一番大事な、「課題を解決する原理・メカニズム」を明確に言語化すること

⇒それが発明の本質(エッセンス)だからです。当然のことです。

3.発明発掘の目的が、自社実施技術の保護用の参入障壁を作るためなのか、その参入障壁を回避する代替発明や迂回発明の防御用の参入障壁を作るためなのかを区別すること

⇒発明を発掘する段階から特許を取る目的を知っておかないと、取った特許が無駄になる恐れがあるからです。

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発明発掘をご希望の場合

発明発掘をご依頼される方にお願いがあります。

1.発明発掘をする目的、つまり、自社技術の保護のためか、代替品や迂回品による同業他社の参入防止のためか、を教えてください。

2.1.と関連しますが、とにかく発明の絶対数を増やしたいのか、それとも、数よりも質(レベル)の高い発明を増やしたいのか、を教えてください。

3.1.と関連しますが、基本的な発明を生み出したいのか、それとも、改良発明や関連発明を生み出したいのか、を教えてください。

これらは、発明発掘の効果(成果)に直結しますし、発明発掘に取り組む姿勢も変わってきますので、発明発掘を開始する前にお願いしています。

なお、発明発掘の実践を通じて、発明発掘(把握)のスキルを技術者自身が体得していただければ、すごく効果が大きいです。

そうなれば、ご自分の発明の把握の仕方が以前とかなり変わりますから、発明提案書の書き方が変わってきます。

注意してみてください。

そうなるように意識して、技術者にヒントを出したり、説明を加えたりしますので。

発明発掘サービスの形態

発明発掘サービスは、(1)技術者の方との対話あるいは討論の形態と、(2)企業研修の形態とがあります。

(1)は時間を決めて技術者との対話ないし討論に参加し、ファシリテータのような役割をしながら、発明の発掘を支援します。発掘した発明は、お客様のご要望に応じて、報告書にまとめます。

(2)は講義またはワークショップ形式で、発明発掘の手法を解説するものです。

これら以外の形態も可能です。

費用等を含め、詳細はお問い合わせください。

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