暗黙知見える化相談室

「暗黙知の見える化」というのは、ノウハウ、コツ等の暗黙知(非言語情報)を言語化、図像化して、目に見えるようにし、暗黙知の所有者以外の人でも使えるようにすることです。

なぜ弁理士事務所が?

「業務の見える化」とか「仕事の可視化」などの言葉は、以前からお聞きになったことがあると思います。が、「暗黙知の見える化」という言葉は、聞き慣れない言葉でしょう!?

「暗黙知の見える化」を実践すると(正確に言うと、さらに見える化した暗黙知を社内で活用すると)、すごく大きな効果があると思いますし、複数の友人からもそのように言われています。(実際、一部の企業は、似たようなことを実行して成果を上げています。)

そこで、このような相談室を設けました。2013年10月現在、国内でこのような業務を提示した弁理士事務所は、他にないと思います。日本で最初ですね。

なぜ、こんなことを始めたのでしょうか?

また、なぜ実施するのが弁理士事務所なのでしょう?

さらに、なぜ私がやることになったのでしょう?

これには深い、深い理由があります。

その理由を知っていただくために、以下の文章を書きました。これをお読みいただければ、その理由をご理解、ご納得いただけると思います。

また、多くの方にも共感いただけるのではないか、と思います。

成果を上げる工夫

暗黙知の見える化は、それ自体が非常に難しいことです。しかし、せっかく苦心して見える化した暗黙知も、社内で多くの社員に活用されなければ、絵に描いた餅に過ぎません。

見える化した暗黙知を社員に活用してもらう方が、暗黙知の見える化よりも難しいかも知れません。

そこで、見える化した暗黙知が、社内で多くの社員に活用されるようにする手法も、一緒に考えました。抜かりありません。これについては、「理想の職場支援」のページをごらんください。

暗黙知の見える化を考え始めた理由

1.30年以上の特許実務経験からわかったこと

代表の泉は弁理士です。30年以上、日本を代表する大企業(NEC)を始め、多くの中小企業やベンチャー企業((株)ザイキューブ等)の特許を取るお手伝いをしてきました。

その間ずっと、「その状況で力の限りを尽くす」というポリシーで仕事をしてきましたので、クライアントには高い評価をいただき、やりがい、達成感も感じてきました。

しかし、その後は、自分のやっていることに疑問を感じ始め、最近は「無力感」が強くなっていました。

それは、苦労して良い特許を取っても、それが直接的にクライアント企業の業績改善につながることが少ないからです。言われるのは、決まって「お金をかけて特許を採ったのに・・・」です。

そうこうしているうちに、あることに気づきました。

「そうだ。企業にとって大事なのは、特許を取ることではないんじゃないか。特許を取るのは、あくまで事業の役に立てるため、競争優位を得るためだ。自己満足だけで事業の役に立たないのなら、特許を取っても意味がない。特許を取る前にやるべき、もっと大事なことがあるんじゃないか」と。

そして、そのもっと大事なことというのは、「仕事を通じて社員の頭や身体の中に培われてきたノウハウやコツといった暗黙知を引き出し、それを言語化・体系化して、知恵に転換する」ということです。

特に、製品の設計ノウハウや、製造工程中の組立ノウハウや加工ノウハウ、店頭での販売ノウハウなど、経験から特定の社員の頭や身体に暗黙的に含まれているノウハウで行われている重要な「判断」(通常、これら業務の本質に当たります)に、焦点を当てて言語化することで、他の社員も利用しやすく価値の高いノウハウに転換できるのです。
 
従来の業務の合理化は、作業をする人の「動作」に注目し、その動作の仕方を調整することで効率化を図っていましたが、暗黙知の見える化は、人の思考における「判断」に注目しているのです。この点で両者はまったく異なります。

なお、泉は、決して、特許の価値を否定するわけではありません。一部の企業にとっては、特許はたいへん重要です。特許がないと事業が出来ませんから。しかし、特許が高い価値を持つ場合がそれほど多くないので、その対処を考えましょう、ということです。

2.暗黙知見える化により得られるベネフィット

ノウハウ等の暗黙知を見える化する手法は、セミナー、企業研修、コンサルティングの三つの形態で広めて行く予定ですが、これらの活動を通じて暗黙知を見える化する手法を導入した企業は、次のような五つのベネフィット(効用)が得られます。

(ⅰ) 業績向上に直接貢献できる
(ⅱ) 自信が持てるようになる
(ⅲ) できる社員の高質ノウハウの改良・発展
(ⅳ) 熟練者の技術・技能承継が可能になる
(ⅴ) 特許の効率的な取得と活用

どういうことか、個別に説明しましょう。

第一のベネフィットは、社員の能力(スキル)の底上げ、社員の問題解決能力や付加価値創出能力の向上等が期待できる、ということです。

これは、社員の頭の中にあるノウハウを引き出して言語化できれば、「ノウハウの属人性」という大きな問題がなくなり、ノウハウを「会社の資産」にできるからですね。

特許よりも、企業のの業績向上に直接的に貢献できるわけです。

第二のベネフィットは、何よりも、自信が持てるようになることです。社長だけでなく、社員も自信を持てるようになるのです。

「俺の会社もけっこう良い技術を持っているじゃないか」

「私にはこんな能力があったんだ」

というように。

当たり前すぎて自分のノウハウに価値を感じていなかった社員が、自分のノウハウの価値に気づくことで、自信を持てるようになるわけですね。

第三のベネフィットは 自分のノウハウの改善・発展が容易になり、より価値の高いノウハウの創出が期待できるようになる、ということです。これは、自分のノウハウを開示した人(できる社員、熟練社員)が、ノウハウを見える化するプロセスを通じて、無意識でやっていた自分の思考法や習慣、思い込み等に気づくことができるためですね。

このベネフィットにより、ノウハウ開示を積極的には望まない社員に、ノウハウ見える化への協力を承諾してもらえるわけですね。

第四のベネフィットは、2007年頃から問題になっている、退職間近の「熟練社員の技術・技能承継」の解決が期待できることです。

技術・技能承継の難しさは、

「伝えたくても伝えられない。」(熟練者は伝えるコトバを持っていない)

「教わりたくても教われない。」(若手社員は教わるための背景知識を持っていない)

ということにあります。

対話を通じて貴重なノウハウを見える化することで、この難しい問題の解決も期待できるようになります。
 
第五のベネフィットは、特許の効率的な取得と活用です。

ノウハウを見える化する時に事業上の価値があると分かった場合、は、特許取得プロセスを開始しますが、発明者がノウハウをコトバにする方法を知っていれば、自分の発明の内容を弁理士に伝えやすいため、特許取得プロセスも効率的になります。

また、特許をどのように事業で使えば、事業に好影響を与えられるかが明確になりますから、特許の効率的な活用もできるようになります。

特許活用の面での私の長年の要望も達成されるわけですね。

以上が、ノウハウ等の暗黙知の見える化を考え始めた理由です。

なぜ弁理士がやるのか?

ひとことで言えば、弁理士が持っているスキルは、ノウハウ等の見える化(言語化、図像化)をするのに最適だ、というのが理由です。

弁理士が特許明細書を作成する場合、弁理士はつぎのような三つのステップを実行します。

1.従来技術を考慮して発明Aのバリエーションを考え、それらを上位概念化(抽象化)することで発明Aの本質を掴む
  ⇒発明Aの具体例を抽象化して本質を把握・言語化

2.その本質に応じて発明Aを上位概念化し、同時に目的(課題)と効果を設定して、発明Zを創出する
  ⇒発明Aの本質に基づいて発明Zを体系化して言語化
3.発明Zの構成(手段)を下位概念化(具体化)し、実施形態を作成する
  ⇒発明Zを具体例(実施形態)に展開して言語化

ステップ1の前には、発明者と対話することで、目に見えない発明という技術的アイデアを理解する、というステップがあります。

つまり、熟練した弁理士は、つぎのような能力(スキル)を持っているのです。

・発明の理解力と言語化力
・特許明細書の構想力
・発明者との対話力

これらの能力は、暗黙知の見える化にぴったりなわけです。

「暗黙知見える化サービス」の詳細は、場所と日程が合う場合は、無料セミナーを受講していただくと、お分かりいただけます。

それが難しい場合は、説明いたしますので、お問い合わせください。

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暗黙知の見える化の手法の概要

1.人は、言語化できない知識を持っています。それを「暗黙知」と言うのです。言語化できる知識は「形式知」と言います。

・形式知=客観的で言語化できる知識。言語化・視覚化・数式化・マニュアル化された知識

・暗黙知=主観的で言語化することができない知識。社員や技術者が暗黙のうちに有する、長年の経験や勘に基づく知識。 意識下の認識であり、形式知の背後に存在する知識

2.典型例は、人は、自転車を乗りこなすこと、顔を区別することは可能であるにもかかわらず、どのように自転車を操作するのか、どのように他の顔と区別するのかを、明示的に言葉で語ることはできないことです。

3.見える化は、暗黙知所有者の頭の中の棚卸しです。

頭の中に存在する、対象について注目していること、判断の基準、参照情報、判断時のロジックなどを、言葉にします。

4.ノウハウの見える化で大事なことは、動作ではなく、判断に注目することです。

「判断」という、対象の認知過程(状況把握過程)を、言語化するのです。

「判断」を構成する以下の四つのステップを必要に応じて言語化します。

(1)対象となっている事象の状況を既存の知識と比較・検討
(2)状況の特徴を把握
(3)その特徴を既存知識及び経験と対比
(4)事象の特性を判断

ノウハウ(暗黙知)のみを言語化しても、活用されにくいので、ノウハウ(暗黙知)が生まれたときの思考法や問題意識、問題を解決したエピソードや、経験談、感情の動き、思いなども、言語化するのが好ましい。

これにより、形式知としてのノウハウだけでなく、それに付随する暗黙知も一緒に伝達できるからです。

また、次のような状況把握(状況を読む)のプロセスを知ることが必要です。

・まず、五感で状況(から読み取れる情報)を知覚
・それを自分の知識、情報、経験と比較してその特徴を見出す
・その特徴により、状況に応じて、状況に意味づけする
・その状況で採るべき、ふさわしい行動を選択し、実行する

判断における一番大事な点が分かるからです。


「暗黙知見える化サービス」の詳細は、場所と日程が合う場合は、無料セミナーを受講していただくと、お分かりいただけます。
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